午後10時を廻り、 暑さも和らぎ、喧騒もようやくおさまってくる頃、九龍の香港芸術館前の埠頭に立つ。この時間になると香港島の夜景を眺める観光客達のせわしさもなくなり、ゆったりと散歩している。向う岸の香港島の高層ビル群の灯りが夜の漆黒の闇の中にゆらゆらと煌く。
昼間は大陸やアジアから世界全域に広がるネットワークの中心都市の一つとしてエネルギッシュに活動するこのコスモポリタンシティも、今は緩やかな休息の中にある。しかし、あのビル群の陰には、今宵もよりよい明日を夢見て、あるいは野望を抱いて不眠不休で働き続けている人間達が蠢いている事を忘れてはならない。
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